【特別区経験者採用】教養試験は独学で対策できる!足切りを超える効率的方法とは?

特別区経験者採用の教養試験の難易度はどのくらい?

独学でいけるって本当?
特別区経験者採用では1次試験で教養試験と論文試験が実施されます。
特別区の採用試験では論文試験が非常に重要と言われていますが、教養試験はどうなのか?気になっている方も多いことでしょう。
そこで本記事では、特別区経験者採用における教養試験の重要度や対策方法について解説していきます!
この記事で分かること
- 教養試験の重要度・取るべき点数
- 論文と面接の重要性
- 教養試験の内容
- 効率的な対策方法
教養試験は「足切り」にすぎない!何点取ればいい?
結論から言うと、特別区経験者採用において教養試験はいわゆる「足切り」としての役割しか果たさず、一定の水準に達しない者は論文を採点してもらうことができないという特徴があります。
この点については、受験案内で公式に発表されています。
教養試験を実施する試験・選考区分においては、教養試験の成績が一定点に達しない場合、論文は採点の対象となりません。
特別区経験者採用試験・選考案内
第1次試験・選考の合格者は、論文の総合成績により決定します。
このように教養試験は、あくまでも最低限の教養を判定されるためだけの役割を担っています。
「教養試験で一定の点数を取ることで論文を読んでもらえる」という方式のため、いくら教養試験で高得点を取っても最終的な合否には関係がないという点に注意が必要です。
つまり、試験全体で見れば教養試験の重要度は低いため、対策に時間をかけすぎるのはNGということになります。

教養対策では足切りを超える程度の対策をしておけばOKなので、独学での対策が十分可能です!
とはいえ、一定程度の点数は取らなくてはなりません。
では、何点くらい取れば足切りを突破できるのか?
ここについては非公開となっていますが、これまでの指導経験から「4~5割程度」が足切りラインとなっていることが多いです。
年によって変動はあるものの、5割取れていれば一安心と考えておけばよいでしょう。
主に大学生が受ける特別区Ⅰ類採用では6割を目標とすることが多いことを踏まえると、教養試験のハードルが低いことは明らかですね。
最終合格者の決定方法とは?
教養試験が足切りとしての役割しか持っていないということは、論文試験と面接試験が重要であることは言うまでもありません。
実際、受験案内には以下のような記述があります。
第1次試験・選考及び第2次試験・選考の結果を総合的に判定し、最終合格者を決定します。
特別区経験者採用試験・選考案内
つまり、「第1次試験(論文試験)と第2次試験(人事委員会面接試験)の総合点」によって最終合格者が決まるため、特別区経験者採用試験で最も対策に力点をおくべきなのは論文対策と面接対策ということになります。
しかし、論文対策と面接対策は教養対策とは異なり、自分がどの程度の点数を取れているのかが分かりにくい側面があります。
そのため、ついつい教養対策ばかりしてしまう…という受験生が発生しがちなので、「教養対策は最低限」ということを忘れずに徹底した論文・面接対策を進めてほしいと思います。

なお、具体的な論文・面接対策の方法については下記の関連記事で紹介しているので参考にしてください!
論文対策の関連記事はこちら
面接対策の関連記事はこちら
教養試験の出題科目と傾向を知る!
ここからは、独学で効率的に教養対策を進めていくにあたってのポイントを紹介していきます。
まずは、教養試験の科目を確認しましょう。
教養試験科目 | 問題数 | 解答数 | |
---|---|---|---|
知能分野 | 文章理解(現代文・英文) | 8 | 全24問 必須解答 |
数的処理(判断推理・数的推理・資料解釈・空間把握) | 16 | ||
知識分野 | 人文科学・社会科学・自然科学 | 15 | 15問中5問 選択解答 |
社会事情 | 6 | 全6問 必須解答 |
教養試験科目 | 問題数 | 解答数 | |
---|---|---|---|
知能分野 | 文章理解(現代文・英文) | 10 | 全26問 必須解答 |
数的処理(判断推理・数的推理・資料解釈・空間把握) | 16 | ||
知識分野 | 人文科学・社会科学・自然科学 | 12 | 12問中3問 選択解答 |
社会事情 | 6 | 全6問 必須解答 |
1級職と2級職で出題内容が少し変わっていますが、どちらも数的処理>社会事情>文章理解>人文・社会・自然科学の順に問題数が高くなっています。
制限時間は1時間45分です。
対策を進めるにあたっては、まずは知能分野(文章理解・数的処理)から手を付けていくのがオススメです。
特に知能分野は知識分野とは異なり「考えて解く」ことを求められます。
早めに対策をスタートさせ、毎日少しずつ解く練習を重ねることで得点率を向上させることができます。
また、知能分野は問題数が最も多く必須解答となっているため、ここを丸ごと"捨てる"という選択は現実的ではありません。
実際に解いてみると得意な科目・苦手な科目が出てくると思うので、過去問を解きながら自分の得点源を見つけていくようにしましょう。
【独学で挑む】教養試験の対策方法3ステップ
それでは、具体的な対策方法について見ていきましょう。
教養試験の対策方法として、次の3ステップを参考にしてみてください。
教養試験の対策方法3ステップ
- 現在の実力を把握する
- 問題集を解く
- 5割を目指してテストする
以下に、一つずつ詳しく解説していきます。
【ステップ1】現在の実力を把握する
最初にすべきことは「現在の実力を把握すること」です。
ここが分からないとその後の対策の立て方が決まらず、かなり非効率的な勉強になってしまうので注意してください。
特に公務員試験が初めての方や久しぶりに受験する方は、やみくもに問題を解くのではなく、今の自分の得点力を知ることが大切です。
そこで、実力をはかるためにオススメの方法は直近の過去問2~3年分を解いてみることです。
過去問を解いてみて、何の科目や分野が得意・苦手なのかを測定することで、重点的に取り組むべき勉強を浮かび上がらせましょう。
例えば「数的処理が苦手だけど文章理解は結構得意だな」ということであれば、文章理解はそこまで対策に時間をかけず、数的処理で得点源になりそうな分野に力を入れてきましょう。

自分の得意・不得意を見つけ、どの分野で何点取るのか戦略的に計画を立てましょう!
【ステップ2】問題集を解く
自分の実力がある程度分かったら、市販の参考書と問題集を使って学習していきましょう。
なお、市販の問題集は「高卒程度」のものであればどれでも構いません。
経験者採用はⅠ類採用とは異なり教養試験の難易度は低めなので、書店でパラパラと確認し、解説が分かりやすいと感じたものを選べばOKです。
問題集を解く際のポイントは下記の2つです。
問題集を解く際のポイント
- 得意な問題:確実に解けるようにする
- 苦手な問題:「これなら解ける」という分野は解けるようにする
例えば数的処理は苦手な方が多いですが、「資料解釈なら時間をかければ解ける」という方は少なくありません。
そのため、「時間をかければ解ける」「解説を読めば分かる」という問題に向き合い、"苦手"から"解ける"に変換し得点源を増やしていくことが大切です。
参考までに、多くの受験生が得点源にしている科目・分野を挙げておきます。
多くの受験生が得点源にする科目・分野
- 数的処理(判断推理・資料解釈)
- 文章理解(現代文・英文)
- 社会科学
これらの科目・分野は難易度が低めであることが多いため、確実に得点できるようにしておくとよいでしょう。

なお、数的処理と文章理解の対策方法については下記の関連記事で紹介しています!
※Ⅰ類用の記事ですが、経験者採用にも十分応用することが可能です。
数的処理は前編の「基礎理解編」と後編の「実践・攻略編」の2本立てとなっているので、順番に読み進めてみてくださいね。
数的処理の関連記事はこちら
文章理解の関連記事はこちら
【ステップ3】5割を目指してテストする
問題集を解けるようになってきたら本番と同様に通しで過去問を解き、採点をしてみましょう。
採点で5割未満だった場合には基本に立ち返り、問題集に戻ります。
その際、簡単な問題をミスしていた場合には、ミスの原因を突き止めて次は確実に得点できるようにしていきましょう。
また、できれば本番と同じような環境で解くことをオススメします。
「制限ありで、鉛筆を使用し、手詰まりな問題は飛ばす」
このように本番を意識した演習をすることで、当日も焦らず試験に臨むことができます。
過去問はどこで入手できる?
ここまで過去問を解くことの重要性について触れてきましたが、肝心の過去問はどこで手に入るのか?という疑問を持った方もいるかもしれません。
過去問については、東京区政会館や各区役所で閲覧・コピーすることができます。
特別区人事委員会のホームページにも掲載はされていますが、過去3年分のみであることや、著作権の関係で文章理解の問題が掲載されていない点に注意が必要です。
コピーをする際には、最低でも10年分は入手しておくと安心ですね。

ちなみに、昔の年度の「社会事情」は古い時事問題が掲載されているため解けなくても問題ありません!
過去問の入手方法や活用方法について、詳しくは下記の記事で解説しているので併せてチェックしてみてください。
関連記事はこちら
教養対策における2つの注意点
教養試験の対策方法について解説してきましたが、最後に対策を進める上で2つの注意点を伝えておきたいと思います。
1点目が「1問にかける時間を短くすること」です。
多くの特別区経験者採用受験生が、教養試験の時間が足りないという問題に直面します。
1時間45分で35問を解くということは、1問あたり3分程度で解かなければなりません。
これはかなりタイトな時間設定のため、1問1問を丁寧に検討して解いている時間はないんですね。
そのため、問題演習を通じて"解き慣れ"を得ることがとても重要で、かつ「この問題は結構時間がかかるな」と思ったら思い切って切り捨てるのも選択肢として持っておくようにしましょう。
2点目が「Ⅰ類採用の問題集や過去問を使わないこと」です。
Ⅰ類採用は主に大学生を対象とした試験であり、教養試験の難易度は「大卒程度」となっています。
それと比較して、経験者採用は「高卒程度」の問題が出題されるため、Ⅰ類の問題演習をするのはオーバーな勉強法となります。
特に社会人は多忙な方が多いため、勉強時間を確保することも難しいと思います。
大は小を兼ねる的な考えでⅠ類の問題を解くよりも、十分合格圏に到達できる高卒程度の問題集を解くようにしましょう。
まとめ
本記事では、特別区経験者採用における教養試験の対策方法について解説しました。
教養試験は独学でも十分に対策可能で、いかに効率よく足切りを超えるかがポイントです。
今回の解説を学習に役立て、浮いた時間を徹底した論文対策に充てて確実な合格を手にしましょう!
予備校概要

- プロコネクトは「特別区対策に完全特化」した予備校です。コンセプトは「日本で一番特別区対策に強い予備校」&「必要な指導を、必要なときに必要なだけ」。個別ニーズに応じた指導を提供し、受験生の合格力を一気に高めます。特別区を目指すなら、専門予備校プロコネクト!
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