【特別区】区面接完全攻略ガイド|突破のための3つの鉄則!
希望区に入りたいけど、区面接までに何を準備すればいいの?
区面接では落ちることもあるって聞いたけど本当?
特別区受験生のみなさん、こんな疑問を持っていませんか?
2次試験(人事委員会面接)と比べると軽視されがちな区面接ですが、残念ながら毎年のように「区面接不合格」や「採用漏れ」に泣く受験生がいるのもまた事実です。
そこで今回は、「区面接の完全攻略ガイド」として下記の内容について網羅的に扱いました。
この記事で分かること
- 特別区採用プロセスの全体像
- 区面接突破のための3つの鉄則
- 区面接のよくある疑問を解説
ぜひ最後まで読み、「区面接合格」(=採用内定)を勝ち取ってください!
【図解で確認】特別区採用プロセスの全体像を理解しよう
まずは2次試験以降の採用プロセスについて確認していきましょう。
特別区採用試験は他自治体の公務員試験とは異なり、「2次試験で終わりではない」という点に注意したいです。
さらに、各プロセスの注意点についてもおさえておきましょう。
【その①】注意!特別区は「最終合格=入庁」ではない!
特別区採用試験では、2次試験(人事委員会面接)に合格すると「最終合格」という状態になります。
しかし紛らわしいことに、この最終合格は「採用(内定)」を意味しているわけではありません。
最終合格後に行われる「区面接」に合格して初めて採用(内定)となります。
【その②】「最終合格=採用候補者名簿掲載」ということ
2次試験に合格すると、特別区人事委員会の作成する「採用候補者名簿」に名前が掲載されます。
そして、この名簿の上位順(=2次試験の点数上位順)に、受験生の希望区(特別区の場合、エントリー時点で第3希望まで書く)を考慮の上、人事委員会から各区へ合格者が案内されます。
それを受けて各区は合格者へ区面接の案内をしていきます。
つまり、上位合格ならそのまま希望どおり人事委員会から第1希望区へ案内がいき、第1希望区から区面接の連絡が来る可能性が高いということです。
一方で中位・下位合格の場合、人事委員会が案内する区を決定する際に、既に上位合格者で案内枠が埋まっている区も存在します。
そのような人気区を中位・下位合格者が第1希望としている場合は希望が叶わず、第2・第3希望区や、場合によっては希望外の区へ案内されるケースも珍しくありません。
希望区で働きたいのであれば万全の面接対策を行い、1つでも上の順位での合格をめざさなければならないということです。
【その③】「区面接」の案内は、区から電話もしくは封書
区面接は、電話で案内する区が多いです。
中でも合格発表日にすぐ電話する区が多いので、極力合格発表日の予定は空けておき、電話に出れるようにしておきましょう。
一方で、一部郵送で区面接の案内をする区も存在します。
区面接にあたって改めて「面接カード」や「履歴書」の提出を求める区が多く、これらについては郵送される場合が多いです。
ただし中には、メール送付や専用ページからダウンロードをする区もあります。
【その④】区面接本番で警戒すべきはこの質問!
さて、区面接本番では以下のような質問に警戒が必要です。
注意すべき質問
- なぜ○○区を希望するのか(志望理由)
- ○○区で活かせるあなたの強みは何か(自己PR)
- ○○区でよいと思う取組・課題は何か
志望動機や自己PRは2次試験でも話したと思いますが、そのときよりも各区に特化して「なぜその区がいいのか」「その区でどんな自分のよさを発揮できるか」を説明しなければならないのが区面接です。
また、区政課題や施策について理解度を図る質問も頻出です。
これらの質問を総合して面接官は受験生の区への熱意を測っているので、2次試験のときと同様に抜かりない準備が必須となります。
【その⑤】「採用内定」もしくは「他区からの連絡待ち」
区面接で合格となれば、晴れて区から「採用内定」の通知がきます。
ここまでくれば、ようやく来春から特別区で働けることが確定します。
一方で区面接で不合格になれば、次の提示で他区からの区面接の案内を待つことになります。
区面接の案内は時期が決まっており、Ⅰ類の場合は例年7回提示があります。
下記は、2024年度(Ⅰ類)と2023年度(経験者採用)の提示日程一覧です。
提示 | Ⅰ類 | 経験者 (1級職) | 経験者 (2級職) |
---|---|---|---|
第1回 | 2024年7月22日 ※1 2024年7月30日 ※2 | 2023年11月17日 | 2023年11月17日 |
第2回 | 2024年10月8日 | 2023年12月14日 | ― |
第3回 | 2024年11月15日 | 2024年1月15日 | ― |
第4回 | 2024年12月13日 | 2024年2月5日 | ― |
第5回 | 2025年1月15日 | 2024年2月20日 | ― |
第7回 | 2025年2月5日 | ― | ― |
第8回 | 2025年2月20日 | ― | ― |
※1 土木造園(土木)、土木造園(造園)、建築、機械、電気
※2 事務(一般事務)、事務(ICT)、福祉、心理、衛生監視(衛生)、衛生監視(化学)、保健師
ちなみに、経験者採用1級職の場合は5回提示、2級職の場合は1回のみの提示です。
(経験者採用2級職だけは「区面接≒入庁の意志確認の場」であり、原則として1回の区面接で採用内定が出ます。)
もし1回目の区面接に落ちたとしても、2回目の提示で案内があった区面接で合格すればいいですし、計算上はⅠ類受験生なら、6回落ちても7回目の区面接で受かることも可能です。
ところが例年、受験生によっては「1回目の区面接に落ちたところ、4回目まで案内がなかった」「1~3回目に連続して落ちた結果、それ以降はどの区からも連絡がなく結局入庁できなかった」(いわゆる"採用漏れ"の状態)といった報告があります。
つまり、
- 何回も区面接に呼ばれるとは限らない
- 最終的に採用漏れ(内定なし)となることもある
それが、特別区の区面接の現実なのです。
【経験者は語る】確実合格に向けて!区面接3つの鉄則
ここからは、区面接を確実に突破するための3つの鉄則をご紹介します。
区面接3つの鉄則
- 「面接カード」を丁寧に準備すること
- 「街歩き」して受験区への理解を深めること
- 「採用内定」まで気を緩めないこと
以下で1つずつ確認していきましょう。
【鉄則①】「面接カード」を丁寧に準備すること
区面接に向けて多くの区で事前提出を求められる「面接カード」等の資料については、細心の注意を払って準備したいところです。
基本的にエントリー時の面接カードと似た質問項目なので、一貫性を意識して書くとよいでしょう。
一方で、まったく同じ内容では問題のある項目もあります。
志望動機や自己PRといった定番の内容であっても、特定の区に向けて書くのであれば当然書き方は変わります。
例えば志望動機なら「特にその区を志望する理由」が書かれるべきですし、自己PRも区ホームページ等に公開されている「求める職員像」等のキーワードにつながる書き方をするべきでしょう。
そして内容面に加えて、形式面も意識しましょう。
誤字脱字なく、また、手書き提出を求められている場合には丁寧な字で書くことが求められます。
このように丁寧に準備をするためにも、期限に余裕をもって作成していきましょう。
【鉄則②】「街歩き」をして受験区への理解を深めること
区面接が2次試験(人事委員会面接)と大きく異なるのは、「その区の区政や実情を理解しているか」が問われる点です。
そのため、区のホームページや広報誌はもちろん、実際に「街歩き」をして活きた情報を得ることがポイントになります。
1次試験や2次試験のときに比べると時間的余裕はあるはずなので、区面接までに積極的に区政調べや街歩きを行っていきましょう。
悩ましいのは遠方に住んでいる場合ですが、例えば1次試験や2次試験の翌日にもう1日東京に滞在して街歩きをする等、工夫することは十分可能です。
遠方に住んでいても、それだけの熱意をもって街歩きをした事実は、面接の際にも最高のアピールになるでしょう。
【鉄則③】「採用内定」まで気を緩めないこと
2次試験(人事委員会面接)が最大の山場であるのは事実です。
そのため、2次試験に受かればホッとして当然ですが、ここで気を緩め過ぎて後悔する受験生が毎年存在します。
これまでの努力を無駄にしないためにも、「区面接の最後の最後まで手を抜かないこと」がとても大切です。
後述しますが、区面接は最初の一発で決めるのが王道です。
そうすれば、その後は入庁までゆったりした気持ちで過ごすことができるので、内定をもらうまでは気を引き締めていきましょう!
【Q&A】区面接のよくある疑問にすべて答えます!
ここからは、区面接に関してよく寄せられる質問にお答えしていきます。
Q1.区面接対策はほどほどでいい?
先に述べたことの繰り返しにはなりますが、区面接の合否で入庁する区が変わり、場合によっては採用漏れも当然あります。
来春から確実に特別区で働きたいなら、徹底した準備をするより他ありません。
とはいえ、周囲には「区面接はほぼ確実に受かるだろう」と手を抜く受験生が少なくないはずです。
しかし、実際に最終合格をしても不合格になっている受験生は毎年いますから、後悔したくないならこういった声に惑わされず、今できる対策に精一杯取り組んでいきましょう。
Q2.希望していない区なので志望動機が浮かばない…
まったく想定外の区から案内がきた場合、志望動機をどう書いたり答えたりすればいいか迷うことがあります。
しかしよく考えてみると、区面接の面接官もあなたが第1~第3希望区にその区を挙げていなかったことは承知しているはずです。
そのため、ここで「もともと○○区に強い関心があり…」等と嘘をつく必要はありませんし、むしろそのような嘘は面接官の心証を悪くしてしまうでしょう。
そこで、もしも希望していない区の面接を受けることになったら、街歩きや区ホームページの読み込み等を通してその区を「知る」ことから始めてみることをオススメします。
そして、その区の重点施策や自分の気になる取組の中で「これはいいな!」と思えた箇所があれば、例えばそれを志望動機に入れてみるのもよいでしょう。
Q3.希望していない区からの面接を断ったらどうなるの?
区面接を断ることは可能ですが、次回の提示で他の区から案内が来る保障はありません。
実際に過去の受験生からは、区面接の誘いを断って以降、一切他の区からの案内がなかった(=採用漏れとなった)ケースが多数報告されています。
一方で、他の区から案内がくるケースもありますが、こればかりは受験生がコントロールできることではありません。
希望していない区から区面接の案内がくるということは、次の提示でも希望区から案内が届く可能性は低いでしょう。
仮に希望区ではなかったとしても特別区職員として勤務する意志が少しでもあるのであれば、希望外の区でも前向きに受験することをオススメします。
Q4.区面接に2連続で落ちている…助けて!
区面接に連続で落ちるケースはよく報告されていますが、これには大きく2つの背景があると考えられます。
第1に受験生側の事情です。
区面接に落ちれば不安が募り、また、基本的には2回目以降は希望していなかった区からの案内が届くことが多いものです。
そうなると、志望動機を書く・話すのも一苦労ということになり、余計に区面接でのパフォーマンスが落ちてしまうことになりやすいのです。
第2に面接官側の事情です。
面接官側としては、他の区で区面接に落ちた受験生が来たら少し身構えてしまうと思いませんか?
「なぜ落ちたのだろう?」
「何か問題のある受験生なのだろうか?」
と不安に思い、面接の質問も鋭くなる傾向があるのです。
このような面接官の疑念は、何回も区面接に落ちてしまった受験生に対してはさらに強くなります。
このように、区面接は回を追うごとに逆風が吹く傾向にあるので、基本は一発合格を目指したいところです。
万が一、区面接に落ちてしまった場合には一般の受験生以上に区を研究し、自己PRや志望動機、質問への回答内容をよく確認する必要があるでしょう。
Q5.どうしても○○区に行きたい!
繰り返しになりますが、確実に希望区にいくためには、ただの「合格」ではなく「上位合格」することが必要になります。
そのためには、論文力・面接力の双方を磨き上げることが必要不可欠です。
また、自分が希望する区に他の受験生が集中していた場合、区面接でも気が抜けません。
どの区に希望が集まっているかは非公表のため不明ですが、仮に自分が希望する区に同じように希望している上位合格者が集まっていた場合は不合格となってしまう可能性も否定できないのです。
そのため、他の受験生の動向が分からない以上は、どの区を志望するにせよ入念な区面接対策が必須となります。
Q6.区面接で個別面接以外の方法をとる区はどこ?
どの区でも個別面接が区面接の基本となっています。
しかし、これは年度にもよりますが、個別面接とともに集団討論も実施する区があります。
集団討論を実施することが多いのは、文京区、豊島区、中央区の3つです。
特に文京区は、50分程度かけて実施する本格的な集団討論が特徴です。
これらの区を受験する場合は、事前に予備校や併願先の自治体での試験などで集団討論に慣れておくようにしましょう。
まとめ
特別区においては、「最終合格=内定」ではなく、その後の区面接を突破してはじめて内定が確定します。
この区面接、多くの受験生は簡単に通過できると考えがちですが油断は禁物です。
残念ながら毎年「区面接落ち」や「採用漏れ」に至る受験生は数多く存在します。
確実に希望区で働くために、まず上位合格を目指して学習を進めましょう。
そして、区面接に向けても、2次試験と同様もしくはそれ以上の準備をしていきましょう。
特別区の採用試験は長丁場です。
しかし、もしあなたが区面接にたどり着いたなら栄冠はすぐそこです。
みなさんの努力が実を結び、希望の区で存分に力を発揮できることを心から願っています。
健闘を祈ります!
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