【特別区経験者採用】過去問が合否を分ける理由5選|入手法&活用法を完全解説!
特別区の経験者採用を受けたいけれど、過去問の使い方が分からない…
まだ全然教養対策できていないから、過去問は後回しでもいいよね?
こんな受験生の不安や疑問にお応えする記事です!
多くの受験生が「過去問は大切」と思いつつ、実際にはあまり取り組めていないのが実態です。
しかし特別区経験者採用では、この過去問対策が合否を分ける重要なポイントになります。
この記事で分かること
- 過去問が合否を分ける5つの理由
- 過去問の入手方法と効果的な活用法
- 過去問活用に関するQ&A
本記事では、これらについて詳しく解説していきます。
忙しい社会人の皆さんにも実践しやすい効率的な学習方法をお伝えするので、ぜひ最後までお読みください!
なお、特別区の論文過去問(Ⅰ類・Ⅲ類・経験者・就職氷河期・障害者採用)については下記の関連記事からご覧いただけます。
関連記事はこちら
過去問が合否を分ける理由5選【使わなきゃ損】
過去問の活用こそ経験者採用試験合格への近道ですが、なぜそういえるのか、その5つの理由を徹底解説していきます。
【理由①】何をどれだけ対策すればよいか分かるから
過去問を解くことで、あなた自身が試験当日までに「どの分野にどれだけの時間を割いて勉強するべきか」が具体的に見えてくるでしょう。
特に教養試験ではその効果が顕著ですね。
「教養試験が苦手」と感じる受験生は非常に多いものです。
しかし、実は全分野が同じ程度に苦手ということは少なく、分野ごとに得意・不得意があるはずです。
例えば数的処理が特に苦手な人もいれば、文章理解や社会科学に時間を割くべき人もいます。
こうした対策の優先順位は、過去問を解いてみなければ把握することはできません。
そのため、特別区経験者採用の対策においては決して過去問を軽視してはいけません。
むしろ「過去問を解くこと」が対策の第一歩となります。
【理由②】特別区で不要な試験対策を省略できるから
過去問を解くことで、ムダな勉強を極力排除できるという大きなメリットもあります。
例えば教養試験の数的処理を例に考えてみましょう。
この分野は、数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈の4つのカテゴリーで構成され、参考書一冊には収まりきれないほど多くの出題パターンが存在します。
しかし、特別区経験者採用に絞ってみると、数的処理の中でも特に出題されやすい分野とそうでない分野があります。
実際、多くの参考書で取り上げられている「命題(論理式)」「真偽(よく”嘘つき問題”と呼ばれる問題)」等の問題パターンは近年あまり出題されていません。
そのため、これらの対策の優先順位は比較的低いといえます。
特別区経験者採用は忙しい社会人を対象とした試験です。
過去問を解き、その出題傾向を掴むことで、重点的に学習すべき分野とそうでない分野を見極めて効率的な受験戦略につなげていきましょう。
【理由③】問題の取捨選択や時間配分が身に付くから
過去問を解くべき理由として、本番の1点をもぎ取る「実践力」が身に付く点も見逃せません。
「実践力」とは下記のような力のことです。
- 試験本番で問題を適切に取捨選択できる(難問に時間をかけ過ぎず、取れるところできっちり得点する)
- 時間配分を適切に行い、自身の実力を最大限、実際の得点に反映する
この「実践力」は、過去問に取り組むことでしか身に付きません。
過去問を解いてリアルな問題レベルや厳しい時間制限を体感することが大切なんですね。
過去問演習を繰り返し行うことで、本番の切羽詰まった場面でも「この問題は難しいから後回しにしよう」「残り5分しかないからこの問題だけ確実に解こう」といった臨機応変な判断ができるようになります。
【理由④】同種の問題が繰り返し出題されているから
特別区経験者採用の過去問に取り組む際に見逃せないポイントの一つは、同じ種類の問題が何度も繰り返し出題されている点です。
例えば教養試験の選択問題では、自然科学分野で「水溶液の液性」に関する問題が過去に何度も出題されています。
液性とは、「酸性・中性・アルカリ性」といった、小中学校で習う理科の基本事項です。
(そのため、過去問で解き、復習した受験生の多くは得点できる問題といえます。)
これらの液性について、非常に基礎的な内容が過去に何度も同じような形式で問われています。
こうした「同種の問題が繰り返し出題されていること」に気づけるのは、過去問を解いた人だけの特権です。
また、過去問に何年分も取り組むことで、これらの頻出問題を繰り返し解くことになり、自然と得点力が高まります。
この積み重ねが本番での確実な得点につながり、合格への大きな一歩となります。
【理由⑤】案外ライバルが過去問対策していないから
最後に挙げる理由として、意外にも多くの受験生が過去問対策に真剣に取り組んでいないという点があります。
特別区経験者採用の場合、教養試験の完全な過去問を手に入れるには少し手間がかかる(※詳しくは後述します)ので、過去問にしっかり取り組む受験生は限られています。
また、論文試験に至っては問題こそ公表されているものの解答例が公開されていないため、どのような方向性で書けばよいのか分からず、対策が難しいと感じる受験生が多いものです。
しかし、皆さんは心配する必要はありません。
本記事では、教養試験と論文試験の過去問をどのように入手・活用すべきか、ここから余すことなく紹介します。
これらを読んで実践することで、他の受験生に一歩も二歩も差をつけていきましょう。
【ライバルが知らない】過去問入手法&活用法
過去問を入手して効果的に活用できれば、ライバルに大きな差をつけることができます。
ここでは、過去問の入手方法とそれを最大限に活用するための具体的な手順を紹介します。
【手順①】過去問と解答は⚫⚫で簡単に入手できる
まず始めに、過去問そのものを入手する必要があります。
特別区人事委員会のホームページには過去3年分の過去問が掲載されていますが、実はこれだけでは「不完全版」なのです。
その理由は以下の3点です。
ホームページに掲載されている過去問だけでは不完全な理由
- 教養試験では文章理解の問題だけが公表されていない(著作権への配慮によるもの)
- 論文試験では解答例が公表されていない
- 教養試験および論文試験のいずれも解説が付いていない
しかし、1つ目の問題に関しては、区政会館もしくは各区役所に出向くことで解決が可能です。
これらの場所では、文章理解も含めて過去問の完全版を閲覧・コピーすることができます。
現地まで足を運ぶ手間やコピー代はかかりますが、実際に本番で使われる問題用紙も見ることができるのでイメージが湧きますよ。
ただ、残念ながら2つ目と3つ目の問題については、区政会館や区役所に出向いても解決することはできません。
(これら課題をどう克服するかについても、あとで詳しく解説します。)
【手順②】時間無制限・カンニングOKで1年分解く
過去問を手に入れたら、さっそく1年分を解いてみましょう。
多くの受験生はここで、「まだしっかり勉強していないから、過去問を解けるレベルにない」「過去問を解いても分からないことだらけで意味がないのでは?」と躊躇してしまいます。
しかし、心配する必要はありません。
最初に過去問を解く際は時間無制限で、さらに手元の資料やインターネット検索もOKにして取り組めばよいのです。
これくらい条件を緩くすることで、気軽に過去問に挑戦することができます。
そして実際に過去問を解くことで、受験までの限られた期間内に、自分がどの分野をどれだけ勉強すればよいかが見えてきます。
正直なところ、初めて過去問を解くときは、時間無制限でカンニングOKであってもかなり苦戦すると思います。
特に論文試験ではどのように書けばよいのかまったく分からず、最低限の文字数を埋めるのに精一杯になるかもしれません。
しかし、それでよいのです。
そのような焦りを実感することも、あなたが試験対策を進める上でプラスになります。
過去問演習を通して、その後の学習に対する必要感やモチベーションを高めていきましょう。
【手順③】解説がなくても簡単に見直せる3ステップ
教養試験については解答が公表されているため、全35問中何問正解したのかを丸つけすることができます。
しかし、丸つけ後に最も受験生が困るのは解説がないことですね。
「解説がないと復習できない…」と困惑するわけです。
そこで、ここからは解説なしでも復習できる方法をお伝えしていきます。
ちなみに、特別区経験者採用において教養試験は1次試験の「足切り」としての役割しかありません。
足切りラインも比較的低く、15~16点程度取れていればまず問題ないため、当面は「5割」を目標ラインに設定して学習を進めるとよいですね。
解説なしで復習する方法【ステップ1】
教養試験の各問題に○✕ではなく、○△✕をつける
○・・・正解した問題(特に復習の必要なし)
△・・・誤った問題(ただし、解答の方向性はなんとなく分かる or 調べられる)
✕・・・誤った問題(どうやったら正解にたどり着けるかサッパリ分からない or 調べるのも難しい)
解説なしで復習する方法【ステップ2】
【△の問題について】
- 参考書やインターネット検索を活用して正解に至る道筋を確認する
- なぜ間違ったか原因を突き止める(知識不足、解答手順のどこかが抜けていた等)
- 覚えておきたい知識はノートにまとめておく
【✕の問題について】
予備校等に通っている場合は講師に質問し、そうでない場合は頼りになる家族や友人に聞く(一人で解くと時間がかかり過ぎるため)
解説なしで復習する方法【ステップ3】
2週間~1か月ほど時間を空けて△✕の問題を解き直す
- 正答できればOK、誤答であれば再度STEP2で作成したノートや参考書で復習する
- 以降、正答できるまで繰り返す
このように問題を○△✕で分類することで、どの問題に重点的に取り組むべきかが明確になります。
特に△のような「あと少しで得点できる」ポイントを攻めると得点力が上がりやすくなるでしょう。
例えば過去問を解いてみて「数的処理は✕ばっかり」「文章理解は手も足も出ない…」というように強烈な苦手分野が分かった人は、上記の復習サイクルに入る前に基礎的な参考書を通読してみてください。
つまり、特別区経験者採用の問題レベルである「高卒程度レベル」「初級レベル」と書いてあるような参考書に1冊取り組み、その後改めて過去問に戻ってくるという流れですね。
そうすれば、既に学習した参考書を拠りどころに過去問の解き直しをすることができます。
【手順④】誰もが悩む論文対策の最適解3ステップ
さて、教養試験よりもさらに多くの受験生が頭を悩ませる論文試験については、解説どころか解答例も公表されていないため対策が難しく感じられるでしょう。
論文試験は教養試験ほど多くの受験生にとって馴染みがないことに加え、最終合格まで大きな影響を与える重要な科目であるため、論文試験への対策の質・量があなたの合否を左右します。
そこで、論文対策は次の3ステップで進めていくとよいでしょう。
【ステップ1】基礎的な論文力の養成
初めて公務員試験に挑戦する場合や論文に慣れていない場合は、まず「論文の基本的な書き方」や「行政の基礎知識」の習得から始めましょう。
これは過去問演習と並行するか、過去問演習の前に挟むとよいですね。
公務員試験に特化した論文の参考書は数多く出版されているので、書店で自分にマッチする一冊を選び、内容を熟読して掲載されている例題等に取り組んでみてください。
ただし、市販の参考書は大学生向けのものが多いため、特に特別区経験者採用の「職務経験論文」に対応した本は残念ながらほぼないのが実情です。
過去問等に取り組んだ上で対策に不安を感じる場合には、経験者採用に対応した予備校等の利用を検討するのも手です。
【ステップ2】過去問を使った実践的な演習
次に、基礎力が身に付いた「課題式論文」「職務経験論文」それぞれについて、過去問や予想テーマについて問題演習を積んでいきましょう。
この段階では、予備校等の「論文添削」を活用して客観的評価をもらうのが理想です。
教養試験とは異なり、論文試験では自分一人で良し悪しを判断するはかなり難しいです。
間違った方向性で勉強して、貴重な時間をムダにする受験生も毎年散見されます。
そうならないためにも、信頼できる指導者から論文添削を受けることをオススメします。
添削を受け、自身の弱点を把握し、それを修正して再度論文を書くというプロセスを繰り返すことで、確実に論文力を向上させることができるでしょう。
また仮に論文添削を受けない場合でも、公式に解答例が発表されていない以上、少なくとも信頼できる作成者による「模範答案」を手に入れて読み込んだり、自分なりに真似して書いたりする練習は必須となるでしょう。
【ステップ3】模試での客観的な評価を受ける
最後に、可能であれば「模試」を受けておくことをオススメします。
模試を通じて、受験生集団の中で自分の論文力がどの程度かを知ることができます。
教養試験と違って自己採点で「得点」という数値が分からない分、この機会は貴重です。
特に今回どうしても合格したいという方は、模試を受けて自分の現在地を確認し、そこから残り期間の学習計画を立てていくことは戦略面でも非常に有効でしょう。
模試は大手予備校等で開催していることが多いため、機会があればぜひ積極的に受験していってください。
【Q&A】過去問活用に関する3大疑問に答える!
最後に、過去問の活用について多くの受験生が抱える疑問にお答えします。
ここではよくある3つの質問に答えながら、より効果的な過去問活用法をお伝えしていきます。
Q1.ネット掲載の過去問ではダメですか?
ネットに掲載されている過去問では、「文章理解」の問題が掲載されていない点がネックになります。
また、教養試験は全体的に時間がタイトであり、すべて「通し」で解いて時間配分の難しさを体感する必要があります。
とはいえ、地方に住んでいる方などは、区政会館や区役所にすぐに出向けない場合もあるでしょう。
そのようなときは、まずはネット掲載の過去問を解いてみるのもアリです。
プロコネクトではすべての採用区分(Ⅰ類・Ⅲ類・経験者・就職氷河期・障害者採用)における論文過去問を掲載しているので、下記の関連記事からチェックしてみてください。
関連記事はこちら
なお、論文以外の教養試験の問題・解答については、下記のサイトがよくまとめられており参考になると思います。
参考記事はこちら
さて、ネット掲載の問題を解くときの注意点ですが、なるべくプリントアウトして解くことをオススメします。
パソコン画面に問題を表示して解く受験生もいますが、これはあまり勧められません。
実際の試験と同様、紙に印刷して手元に置き、書き込みながら問題を解きましょう。
そうすることで、本番の緊張感を自分で演出し、より実践的な演習が可能となります。
また、ネット掲載の過去問を解くにしても、行けるタイミングで区政会館に足を運んでみましょう。
区政会館には過去問だけでなく、各区の資料も豊富に揃っています。
これらの資料を閲覧するだけでもモチベーションが上がりますし、後の面接対策にもつながりますよ。
Q2.Ⅰ類採用の過去問を解くのはよいですか?
正直これはオススメできません。
その理由は、下記のとおりⅠ類採用と経験者採用における試験の難易度の違いにあります。
Ⅰ類採用と経験者採用の違い
採用区分 | 教養試験のレベル | 論文試験の内容 |
---|---|---|
Ⅰ類 | 大卒程度(上級) | 課題式論文 |
経験者 | 高卒程度(初級) | 課題式論文+職務経験論文 |
まず教養試験についてですが、特別区Ⅰ類採用の難易度は「大卒程度レベル」であるのに対し、特別区経験者採用は「高卒程度レベル」の問題が採用されています。
確かに同じ特別区で問題の傾向が似ている部分もありますが、そもそも問題レベルが異なるため、特別区経験者採用を受験する人にとってⅠ類採用の問題は「必要以上に難しい」といえます。
「難しい問題を解けば得点力が上がる」という考え方もありますが、経験者採用の教養試験は足切りの意味しかありません。
そのため、必要以上に高いレベルの問題を解く時間があるなら、論文対策に時間を割いたほうが効率的です。
また論文試験についても、Ⅰ類採用と経験者採用の問題は明確に異なります。
経験者採用の論文試験には「課題式論文」「職務経験論文」の2種類があり(Ⅰ類採用は課題式論文のみ)、Ⅰ類採用よりもハイレベルな設定となっています。
これらを踏まえると、教養対策においても論文対策においても、Ⅰ類採用の過去問に積極的に取り組む必要はないでしょう。
特に特別区経験者採用の受験生は「多忙な社会人」です。
限られた時間の中で合格に直結するタイパのよい学習をするためには、「特別区経験者採用の過去問」に絞って徹底的に演習を繰り返すべきといえます。
Q3.数的処理がまったくできない場合はどうしたらいいですか?
受験生の中には数学や算数が苦手で、数的処理に対して強い苦手意識を持っている方も多いことでしょう。
この点については、多くの人がどのように対策すればよいか迷っていると思います。
ここでは下記の2つの戦略をご提案します。
数的処理が苦手な人向けの2つの戦略
- 難易度の低い問題・分野だけを確実に得点する
- 数的処理以外の分野に力を入れる
①難易度の低い問題・分野だけを確実に得点する
数的処理は、数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈の4つのカテゴリーに分かれます。
過去問を解いてみて、これら4つの分野のうち、すべてがまったく解けないというケースは稀でしょう。
例えば資料解釈については、時間さえかければ解けると感じる受験生が多いものです。
(資料解釈は与えられた図表やグラフを正しく読み取れれば、確実に正解にたどり着けます!)
このように、まずは取り組みやすい問題から対策を始め、得点力を高めていくことが重要です。
一般的に、苦手な問題分野の克服には時間がかかります。
そこで過去問演習を通じて少しでも解けそうな分野を特定し、そこから攻めるのが効果的でしょう。
②数的処理以外の分野に力を入れる
数的処理は全35問中12問出題されますが、すべての問題が選択式であることを考えると、仮にすべてを当てずっぽうで解いても2~3問は正解できる計算になります。
そのため、数的処理がとてつもなく苦手な場合は、その解答時間を他の分野に充てて得点を稼ぐのも作戦の1つです。
例えば文系出身者なら、文章理解や社会科学、時事の問題を確実に復習して得点していけば、十分に合格ラインをクリアすることは可能でしょう。
繰り返しになりますが、教養試験で高得点は不要ですから、全体で約半分程度の得点(足切りライン)を超えればOKなんですね。
そこから逆算して考えて自分に合った得点戦略を立て、効率よく学習を進めていきましょう。
まとめ
ここまで見てきたように、過去問は単なる問題集ではありません。
あなたが本試験の傾向を完全掌握し、学習効率を最大化するための合格必須アイテムです。
本記事では忙しい社会人の皆さんに向けて、過去問入手法から活用法まで具体的な手順をお伝えしました。
ぜひ実践して自分に合った学習方法を見つけ、合格を勝ち取ってください。
皆さんの健闘を心よりお祈りしています!
予備校概要
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